MFP recycle複合機の再資源化

難しいプラスチック素材も再資源化を実現

私たちのもとに運ばれてくる使用済みの複合機、プリンターなどの中には、再生や修理ができないものもあります。それらを新たな資源に変えるのも、私たちの仕事のひとつです。
使用済み製品は、ここで新たな材料に生まれ変わり、キヤノン製品でも利用されます。

さまざまな材料からできている複合機

様々な材料からできている複合機

複合機は、鉄やアルミ、銅などの金属や、プラスチック、ガラス、ゴムなど非常に多くの素材が使われています。

再資源化の品質を保つ素材の特定

再資源化するには、素材ごとに丁寧に分け、価値あるものにすることが必要です。製造メーカーならではの多種多様な機種の構造を熟知した者が分解、分別に携わっています。

メーカーだからできる純度の高いプラスチック5種類の再資源化

プラスチックは多くの物質からできていますが、その配合の割合が目的によって異なります。
配合が異なるものが混ざると強度などの性能に影響があるため、通常、プラスチックの再生は難しいとされています。
私たちは、製造時のデータから、同じ配合のプラスチックを集め、5種類のプラスチックを再生しています。メーカーだからこそできる純度の高いプラスチックの再資源化を実現しています。

素材の価値を高める3つの自動設備

  • ・ナゲット処理装置
    ワイヤーハーネス(電線の束)の被膜や鉄部品などを除去し、高品質な銅材を回収
  • ・堅型破砕機
    金属付きユニットなどを細かく形状破砕し、磁石を用い高品質な鉄材を回収
  • ・パーツセパレーター
    通常の処理では粉塵爆発を起こす恐れのあるトナー付きユニットを破砕し、トナーを除去した金属複合材として回収

解体の自動化への取り組み

再資源化を目的とした解体には時間と手間がかかります。現在、それらの作業の自動化に取り組んでいます。

  • ・基板ユニットの自動ビス外し
    ロボット、カメラ、台車の連動によりさまざまな形の基板をランダムに処理可能
  • ・複合機カセットの自動ビス外し
    ロボット、カメラ、コンベヤーの連動により5種類をランダムに処理可能

産業廃棄物処分の許可

私たちは、工場のある茨城県から産業廃棄物処分の許可証を取得しています。
これにより使用済み複合機のリサイクルができるようになり、さらにその過程で得たノウハウをキヤノン本社にフィードバックし、新製品の開発・製造に役立てています。

複合機のプラスチック再資源化の工程

  • 分解

    回収した製品のうち再使用しないものを資源として分別できるレベルまで分解します。

  • 分別

    すべての素材を材質ごとに細かく分別していきます。

  • 確認

    再資源化する5種類のプラスチックを確認し、貼付されている別素材を剥がし、細かい余分な部品を取り除きます。

  • 粉砕

    プラスチック素材を粉砕機に投入し、粒状のサイズに加工します。

  • 梱包・出荷

    粒状にしたプラスチックを袋に詰め、キヤノンの生産工場へ出荷します。