CANON ECOLOGY
INDUSTRY's PEOPLEキヤノンエコロジーインダストリーで
働く人々

ビス外しの自動化にチャレンジ。
高校生のときには思いもしなかった仕事ですが
やりがいのある毎日です。

入社後の「ものづくり研修」が、今の仕事にすべてつながっています

−入社までの経緯を教えていただけますか?

中島:高校生の時に、会社見学があって、再資源化の部署を見学しました。働いている人たちが、すごく早く複合機を解体しているのを見て、すごいなと思ったんです。自分も入社してそれができればいいなと思ったのがきっかけです。

野口:私は、地元で働きたかったので、入社を希望しました。

−入社後は「ものづくり研修」があったんですね。そこではどういうことを?

中島:1年間、取手での研修だったんですけど、私は、FAコースというところで、機械のプログラムとか配線とか電気系のことを中心に学びました。でも、商業科だったので、最初、すごく抵抗がありました。授業も言っていることがさっぱりわからず。周りはみんな、高校でそういった専門の勉強をしてきていて、ちゃんと講師の人がいうことを理解しているのに。

野口:私は電子コースで、プログラムを組むような内容は中島さんと一緒です。私も普通科だったので、最初は戸惑いがありました。地元からも離れているし、帰りたいなと思ったりしていました。でも同期がたくさんいるので、困ったことがあれば助けてもらったり。全員、高卒で、年齢も同じだったので仲良くなりしました。今、それぞれの拠点に帰ってからも、辛いことがあったら、話したりしているんです。同期に出会えたのはすごく良かったです。

中島:研修と言っても、ずっと勉強ばかりではなくて。研修は100人くらいが集まったんですが、コミュニケーション深めるために合宿などもありました。そういう研修でみんなと仲良くなって、そこからは、勉強の時にわからないことを教えてもらえるようになったので、だんだん楽しくなってきました。

野口晴香
中島麻衣

—研修は今の仕事につながっていますか?

中島:今の業務は、装置の設計から組み立て、配線、プログラムまで、だいたい一人でやっているんですが、FAコースの研修でやってきた制御系の勉強などが全部つながっているなと思いますね。

野口:私は、技術的なことだけじゃなくて、研修で身につけたコミュニケーション関係のことも今の仕事につながっているなと思っています。研修の中でもスピーチの訓練などがあって、最初、全然話せなかったんですけど、スピーチの研修を1年続けて、自分の考えていることを相手にきちんと伝えるスキルが身についたと思うんです。仕事するにはコミュニケーションが一番大事だと思っているので良かったなと思っています。

基板とカセットのビス外しの装置をつくりました

—現場で使う装置をつくったということですが、どのようなものを?

中島:再資源化の作業をしているところにある複合機の基板のビスを外す装置をつくりました。会社として、カメラを使ってビスを外す装置を考えていたみたいなんですが、私たちが研修でロボットのことを学んできたので、そういう装置をやってみないかと。そして基板のビスなら一番早くできるんじゃないかということで取り組みました。

野口:私は、もともとあった装置のバージョンアップで今のカセットのビスを外す装置をつくりました。カメラをつけたり、コンベアーを配置したりしてバージョンアップしました。

—苦労したことはありますか?

中島:プログラムをつくること自体は、研修でやったことがあったのですが、ビスを見つける画像処理に苦労しました。基板はビス以外に背景で丸いものがたくさんあり、それをビスだと思って処理してしまったり。ビスとビスじゃないものの見分けが大変でした。

野口:私は、カセットにある17本のビスのうちの1本が外れていないなどで苦戦しました。17本全部外れてないと意味がないので、そういうビス外しの成功率を上げていくのが大変でした。
初代の装置はカメラがついていなくて、自分で登録したポイントだけにロボットが動いて外すというものだったんです。位置決めがきちんとしていないといけなかったんですね。今、私がバージョンアップしたものは、カメラを搭載しているので、カメラでビスを見つけたら、きちんと補正をかけて、ビスを外しに行くというものになっています。

—ロボットが判断して取りに行ってくれる。すごいですね。今は機械を改良しているのですか?

野口:そうですね、今も改良を続けています。

中島:私は、基板のビス外しの装置は、トラブルが起きたら、見に行って直しています。
今は、複合機本体のビス外しの自動化に挑戦しています。使うカメラも今まで基板の装置などで使っていたカメラと違うものだったり、初めて使うものが多くて、新たに勉強しながら進めています。モーターをつくっている会社などメーカーに直接問い合わせをしたり、ウェブサイトでいろいろ調べたり、大変ですけど、やりがいがあります。
基板やカセットの装置は、ロボットは固定されていて、基板やカセットが動いてビス外しの作業が進みましたが、今の複合機本体でやろうとしているのは、複合機は固定で、ロボットを動かす機構なんです。複写機は重く、そちらを細かく動かす制御が難しかったので、ボールねじ機構を使って、その機構の上にロボットを載せて左右に動かし、31本のビスを外す装置にしたいと思っています。

中島麻衣

研修から戻って、希望を伝えて今の仕事をやることになりました

−今の仕事は最初から担当になったのですか?

中島:同期入社6人でものづくり研修に行って戻ってきて、その直後は現場研修で再資源化の作業を覚えました。そのあと、同期6人で2つのグループに分かれて、からくり機構を使った装置をつくる作業をしたんです。その最終段階で、「こういった技術や機構を極めたいか、現場の方で頑張りたいか」ということを聞かれ、私たちは、技術の方に行きたいということを伝えました。

—こういったプロジェクトに若手が抜擢されることは以前から?

野口:入社した後にものづくり研修に行くというのは、私たちからでした。その前は、入ったらすぐ現場だったんですけど、私たちの代からは、1年間専門的な勉強をして戻ってきたら、勉強してきたことを活かしましょうとなったんです。研修に行けてよかったです。

つくった装置が現場で動いているのを見ると、よかったなと思います

−今の仕事のやりがいはどんなところですか?

中島:仕事をしながら新しい知識を覚えていける環境がすごくいいし、わかったときの嬉しさがやりがいにもなっています。周りから、すごいねと言われると、かんばってよかったなと思いますし。

野口:私も自分がつくった装置が現場でちゃんと動いているのを見ると、ああ頑張ってよかったなと思います。それから、新しいものがちゃんと動いたときに感動しますね。

−苦労していることはどんなところでしょうか?

野口:使う人は現場の人なので、作業者の人が使いやすいものをつくるっていうのは、意識していますね。
難しいんです、これが。自分たちはいいんじゃないかと思った機構も現場の人からすると「いや、それは違う」ということがあるので、そこは話し合いなどで意見を出し合って、お互いがいいと思うものをつくっていきたいです。

中島:今は、タクトが気になっています。装置が一個ものを仕上げるのにどのくらいでできるのかという秒数です。ビス外しのところは装置だけでなく人も関わっているところなので、装置と人の作業のタイミングが合わないと、手空きの時間ができるんです。そうするとロボットをつくった意味がなくなってしまうので、ロボットにとっても作業者にとっても、いい時間で8時間仕事ができて、求められている台数をクリアできるのが、理想なんです。そこのところをやろうとしています。

野口晴香

早く会社に行って、続きをやりたいと思うこともあります

—今の仕事は楽しいですか?

野口:地元の友達に会って、仕事の話になると「そういうことやってるの?全然違うことやってるね」って
びっくりされますけど、楽しいです。
どんどん、新ことにチャレンジしていく感じで飽きないです。

中島:早く会社行ってあの続きやりたいって思うことがあります。家に帰って「あ、あそこってこういうことじゃないかな」って思って、早く明日にならないかなと思ったりします。

野口:私も、ふと、そう思ったりする。

中島:それから、個人的な意見を尊重してくれるところがいいなと思います。
装置をつくっていると、いろいろやりたいことが出てくるんですけど、ちゃんとアイデアができていれば、自分の考えをやらせてもらえる。そういうところがいいですね。下の意見も聞き入れてくれます。

野口:研修とかも「こういう研修行きたいです」って言うと、「じゃあ、行ってみようか」って行かせてもらえたりします。また、自分たちがやっている業務を、もっと円滑に進めるためにはどうしたらいいかとか、業務の棚卸をしたり、みんなで話し合ったり、困っていることも相談できるんです。

求められる人になりたいと思います

−これからのことを聞かせてもらえますか?

野口:いてくれないと困るって言われるような求められる人にはなりたいかな。

中島:私もそうなりたいです。「このことは、この人に聞けばわかるよ」そう言われたいですね。そういうときに自分の名前が一番に上がるくらいに。いろんな面でもスキルを上げていければなと思っています。

仕事が楽しいと思えるし、人にも恵まれています

−この仕事でよかったことは?

中島:仕事が楽しいって思えること。いろいろ学べることかな。つくり終わった達成感とか。
それから、会社の人もみんな優しかったりフレンドリーだったりするので、仕事にも人にも恵まれています。

野口:同期がいっぱいいることも。この会社には6人だけど、研修に行ったことで全国にたくさんの同期がいるのが心強いです。社内はみんないい人だし、仕事も楽しいし、自分のやりたいと思ったことを尊重してくれて、やらせてもらえるのがありがたいです。

−お休みとかはどうされています?

中島:お休みのときにも、野口さんと一緒に遊んだりもします。

野口:他の拠点の同期と会ったりすることもあるよね。

中島:旅行も一緒に行きます。前は韓国に行ったんですけど、今度は他の会社の人もいれて5人で一緒に5月にセブ島に行こうと思っています。

※所属・役職は取材時のものです。